HETAREDREAM

夢のあるヘタレが世界で活躍する起業家になるまでの物語

第三話 Butterfly Effect

僕たちは自分たちが考えている以上に、抽象的な世界で生きている。そんなことが、インターン先候補の企業の会社概要を見ていたら、ふと込み上げてきた。就活する際に、業種を見ると、マーケティング、営業、デザイン、システム開発なんて言葉が並んでいる。

 

もしも、ある大切な取引を通じて3000億円程度の意思決定をするとしたら、何が決め手と成るのだろうか。大概はプレゼンターの思考に妥当性があり筋が通っているかで決まる。だから、みんな大手の自動車会社は電気自動車を開発しているわけだ。細かい所作は変わるにせよ、大枠の流れは合理性からは外れない。でも、きっとその決断を下すまでに幾つもの要素が絡み合っている。プレゼンターの表情から溢れる自信だったり、信頼をおける人柄だったり、その日の会場の様子だったり、今までの言葉のやりとりだったり。細かい所作が積み重なってある一瞬が形成されるのではないかと。でも、地震でプレゼンが当日なくなったらどうする?その日プレゼンターが事故にあったらどうする?事故に合わせてしまったしまった人はどうなる?

 

わからない。誰も未来なんて分からないのだ。僕たちは明日も自分の人生が延長線上に続くと保証されているような気になっているけれど、未来は考えている以上に厄介だ。

 

"ヘタレ、人生ってのはな。自分が思い通りになるのはこれっぽっちだ。そのこれっぽっちだけでも前に進めるために、今日を頑張って生き抜く必要があるんだ。"

二年前、こんな言葉を師匠から頂いた。明日はわからん。だから必死に今日を積み立てる。

 

"さあ、目をつぶって。目の前の糸を掴んでしましょう。あなたはラッキー、大吉です。文字通り血の滲むような努力をして、その糸を登り切るのです。"

 

アデュー

@San Francisco, Silicon Valley