HETAREDREAM

夢のあるヘタレが世界で活躍する起業家になるまでの物語

第五話 お前の強みは何だ

昨日、友達の紹介でとても気さくなイケメンに出会った。松潤綾野剛を足して2で割ったようなやわらかな雰囲気を持つタッキー。どれくらいイケメンかというと、初対面にも関わらず、引っ越しを手伝ってくれるほどのイケてるメンズである。

 

晩御飯、食事と酒が進む中、料理の話から、旅の話、恋愛観など、ここ二ヶ月で一番と言っていいほど、話が尽きずに盛り上がった。(そのため彼は次の日がYosemiteにもかかわらず終電を逃し、バスで帰宅。)

頭を使って会話を仕掛けてくるために、質問と解答とユーモアの攻防戦である。僕は理解できない論調に、一歩踏み込んで切りかかり、彼は論の崩壊を避けるために、更なる情報を肉付けしてくる。最高に至福のやり取りだった。

 

彼と話していることに共感をしたことが一つ。そして、感銘と受けたことが一つ。

知的労働者がする仕事はEnvisioned Futureを描くこと。

これは大変に共鳴。経営学も、情報工学も、建築学も、未来を築くための学問にこの発想は欠かすことができない。未来には、無限の可能性がある。きっとそれを予測することは人智を超えている。(第三話 Butterfly Effect)しかし、責任をもって未来に対する断定を行う場合には、その人智を超える所作が求められる。その未来を断定すること、つまり、Envisioned Futureを描くことが知的労働者の仕事なのだ、と。此れには納得。いつも自分が企画するときに意識していることがある。それは、

  1. 現状の制限を確認する。(未来の選択肢を減らすため)
  2. 制限の中で考えうる全ての選択肢を書き出す。(考えうる打ち手を洗い出すため)
  3. その中から、取捨選択をした後、優先順位をつける。(時間が限られているため)
  4. 優先順位の高い選択肢から徹底的に掘り下げる。(個性というやつが求められる)

悩むのではなく、考えなくてはいけない。思考には答えがあり、思考は人類を前進させる。だからこそ、決断しなくてはならない。考えぬかれた断定と言う名の責任のある答えを出すことが、僕にとっての決断である。未来を断定することは、起業家にも、芸術家にも、学者にも、世の中に新しい切り口をもたらす人たちにはきっと避けて通れないのだ。なんてことを思ったり思わなかったり。

 

それと、感銘したことが一つ。

パースとデザインはかけて当たり前。そこがスタートライン。

そう。できて当たり前なのだ。建築家にとっては、描けることは当たり前。演奏家にとっては、弾けるのは当たり前、プログラマーにとっては、書けることは当たり前。創造的な仕事の前に、当たり前のスキルというものが求められる。きっと此れが下積みの大切さ。当たり前のラインにまずは立ちましょうよ、と。だってプロに成るのだから。

ただ、同時にこの話は自分の方向性を決定する上で、とても大切な示唆も含んでいた。それは、

あなたの強みは、何ですか。

ということだ。今からプログラマーになっても、一番になることは出来ない。コレは間違いなく。だって、彼らは幼少期からBasic書いて、パソコン作って遊んできたんだから。でも、起業家だったら一番になれるかもしれない。学生中に安定したキャッシュを出している人は少ないだろうし、ビジネスモデルを解体して、一つ一つ情報を分析し、マーケ、システム、組織、ファイナンス、営業を組み立てることは、同世代よりは少しだけできる自信がある。何よりも、それが大好きでたまらない。

つまり、ここで決断することは、プログラマーになるためのプログラミングではなく、マーケターになるためのプログラミングを学ぶ方向にシフトするということだ。Silicon Valleyに来て思うことは、マーケターのあり方が、つまり市場の読み方が、よりデータを軸とした検証方法に移行しつつある。ただ、まだ肌感覚でしかない。だから、プログラミングとマーケティングを掛けあわせる方法をあと4ヶ月間、じっくりと腰を据えて考えたい。ということで、断定。

  1. 必要な情報を大量に取得できるプログラムと、必要な情報を自動で整理できるプログラムを書く。
  2. San Francisco、Silicon ValleyのIT会社でマーケティングを担当している人に30人ヒアリングをする。
  3. 大学院に行くという選択肢を潰さないために、MarketingとTechnologyの融合に関する卒業論文をアメリカで仕上る。

この3つをやり遂げます。まだほわほわしてるけど、ちょっとずつアメリカ生活の形が固まってきたな。あーボランティア先が早く見つかるといいな〜。

 

アデュー