HETAREDREAM

夢のあるヘタレが世界で活躍する起業家になるまでの物語

第八話 走れ、ヘタレ!

私は、信頼に報いなければならぬ。いまはただその一事だ。走れ!ヘタレ。私は信頼されている。私は信頼されている。先刻の、あの悪魔の囁きは、あれは夢だ。悪い夢だ。忘れてしまえ。五臓が疲れているときは、ふいとあんな悪い夢を見るものだ。ヘタレ、おまえの恥ではない。
おまえは真の勇者だ。信じられているから走るのだ。間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ。私は、なんだか、もっと恐ろしく大きいものの為に走っているのだ。ついて来い!フィロストラトス

ヘタレは走った。呼吸も出来ず、二度、三度、口から血が噴き出た。見える。はるか向うに小さく、シリコンバレーの塔楼が見える。塔楼は、出資を受けてぎらぎら光っている。まだ、陽は沈まない。

 

本当に週末は駆け抜けた。三日三晩可能な限りまで考えぬいた。開かれたDBの中から集められるだけの全ての情報を集め、ユーザーを詳細に分析し、アクティブユーザーの特長を割り出す。その特長を基に、展開すべき候補をスクレーピングを利用してネットから拾い上げ、照合する。仮説を立てて、ブレイクダウン。ファクトを集めて、仮説検証。久々に脳が呼吸をしていた。張り詰める空気の中、日を重ねるにつれて、周りの見る目が変わった。そして、11月18日の夕暮れ。まだ、陽は沈んでいなかった。8社立ち上げた内6社をExitした共同経営者のRさんを納得させるため、ヘタレは半年間のマーケティングプランをプレゼンした。残る5人の社員が見守る中、張り詰める室内。一瞬の沈黙が漂う。

Not bad. It's not perfect. But you can try to make sure whether your assumption is correct or not. Make a report for us again. 

 Pathが通った。やっとの思いで、努力が、実った瞬間であった。

まだ、陽は沈まない。500Startupsでのボランティア生活が幕を上げたのであった。